外国人雇用状況届出書とは?提出が必要なケースと手続きの流れをわかりやすく解説

外国人を雇用する企業には、「外国人雇用状況届出書」の提出が義務付けられています。
しかし実務の現場では、

  • どのタイミングで出すのか分からない
  • 在留資格によって対応が違うのか不安
  • 出し忘れるとどうなるのか知りたい

といった声も多く聞かれます。

本記事では、外国人雇用状況届出書の制度趣旨から、提出が必要なケース、具体的な提出方法、注意点までを整理して解説します。

外国人雇用状況届出書とは何か

外国人雇用状況届出書とは、外国人を雇用した事業主が、その雇入れ・離職の状況を国に届け出るための書類です。
雇用保険制度と連動した仕組みで、外国人労働者の就労状況を把握することを目的としています。

この届出は、事業主の任意ではなく法律に基づく義務です。
提出先は 厚生労働省 関係機関となり、ハローワークを通じて行います。

なお、正社員だけでなく、パート・アルバイトなどの雇用形態も対象となる点に注意が必要です。

届出が必要になるタイミングと対象者

外国人雇用状況届出書は、以下のタイミングで提出が必要です。

提出が必要なタイミング

  • 外国人を新たに雇い入れたとき
  • 外国人が離職したとき

対象となる外国人

原則として、日本で就労するすべての外国人労働者が対象です。
在留資格の種類(特定技能、技術・人文知識・国際業務、留学など)によって、提出義務が免除されることはありません。

ただし、以下のケースは対象外とされています。

  • 特別永住者
  • 在留資格「外交」「公用」を持つ者

「雇用保険に加入していないから不要」と誤解されがちですが、
雇用保険の加入有無にかかわらず、届出が必要な場合がある点は重要なポイントです。

在留目的にかかわらず、
「雇用関係が発生したかどうか」が届出判断の基準となります。
そのため、短時間勤務や試用期間中であっても、雇用契約を締結した時点で届出対象になる点には注意が必要です。

提出方法と期限の基本ルール

外国人雇用状況届出書の提出方法は、雇用保険の加入状況によって異なります。

雇用保険に加入する場合

  • 雇入れ・離職の手続きとあわせて届出
  • 雇用保険被保険者資格取得届・喪失届の提出時に実施

雇用保険に加入しない場合

  • 外国人雇用状況届出書を個別に提出
  • 原則として、雇入れ・離職の翌月末までが期限

提出方法は、ハローワーク窓口への持参、郵送、または電子申請が利用できます。

期限を過ぎてしまうと、是正指導の対象となる可能性があるため、
雇用契約の開始・終了時点で速やかに対応することが重要です。

記載内容と実務での注意点

届出書には、以下のような情報を記載します。

  • 外国人本人の氏名・生年月日
  • 国籍・地域
  • 在留資格・在留期間
  • 就労開始日・離職日
  • 事業所情報

特に注意したいのが、在留資格と在留期間の記載ミスです。
在留カードの記載内容を正確に確認せず、本人申告だけで記載してしまうと、誤りが生じやすくなります。

特に注意したいのが、転職や在留資格変更を経験している外国人の場合です。
過去の勤務先での雇用期間や在留資格の履歴を正確に把握していないと、
届出内容と実際の在留状況にズレが生じる可能性があります。
採用時には、在留カードだけでなく、職歴や在留資格の変更履歴もあわせて確認することが望ましいでしょう。

また、離職時の届出忘れも多いポイントです。
退職後に在留資格の変更や更新に影響が出る可能性もあるため、
「雇ったときだけでなく、辞めたときも届出が必要」という認識を社内で共有しておく必要があります。

届出を怠った場合のリスク

外国人雇用状況届出書を提出しなかった場合、
事業主には指導や是正勧告が行われる可能性があります。

悪質なケースでは、

  • 罰金の対象
  • 行政指導の履歴が残る
    といったリスクも否定できません。

また、外国人本人にとっても、在留資格の更新や変更時に雇用状況が確認され、
手続きがスムーズに進まなくなる可能性があります。

また、外国人雇用状況届出書の提出状況は、
その後の行政手続きや監督指導の際に確認されることもあります。
日常的な届出対応が不十分な場合、
「外国人雇用管理体制が整っていない企業」と評価されるおそれもあります。
継続的な外国人雇用を行う企業ほど、基本的な届出対応を確実に行うことが重要です。

企業・外国人双方を守る意味でも、
届出は「形式的な手続き」ではなく、重要なコンプライアンス対応として捉えることが大切です。

まとめ

外国人雇用状況届出書は、単なる形式的な手続きではなく、
企業が外国人を適正に雇用・管理しているかを示す基礎情報の一つです。
特に今後、在留資格審査や雇用管理に対するチェックが厳格化する流れの中では、日常的な届出対応の積み重ねが、企業の信頼性にも影響していくと考えられます。
「忘れずに出す」だけでなく、「正確に出す」意識を持つことが重要です。

外国人雇用状況届出書は、外国人を雇用するすべての企業に求められる基本的な手続きです。

  • 雇入れ・離職時に必ず提出が必要
  • 雇用保険の加入有無で提出方法が異なる
  • 在留資格・在留期間の正確な確認が重要

制度を正しく理解し、社内フローとして定着させることで、不要なトラブルや指導リスクを防ぐことができます。

外国人雇用に関する手続きや制度運用で不安がある場合は、専門家のサポートを活用することも一つの選択肢です。

Link Asiaでは、外国人雇用に伴う在留資格管理だけでなく、
外国人雇用状況届出書をはじめとした各種届出・更新手続きの管理サポートも行っています。外国人雇用に関する届出・管理体制を整理したい企業様は、
現状整理からサポート可能ですので、お気軽にご相談ください。

参考サイト(リンク先に専用書式あり)
「外国人雇用状況の届出」について |厚生労働省

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渡邉 圭史
人材ビジネス会社の一員として外国人雇用の推進に取り組んでいます。特定技能や技能実習制度、外国人労働者の受け入れについて、実務や日々の学びを通じて経験を積んでいます。このブログでは、外国人雇用に関する知識や最新情報、実際の現場で感じたことを分かりやすくお届けします。ぜひ気軽に読んでいただければと思います!