特定技能外国人を雇用している企業の中には、「在留期限が切れると銀行口座は使えなくなるのか」「在留資格の更新中でも口座は利用できるのか」と疑問を持つ担当者も多いのではないでしょうか。
近年、一部の金融機関では、在留期限を過ぎた外国人名義の口座について、利用状況や在留資格を確認したうえで取引を制限する対応を行っています。これは、犯罪収益移転防止法などに基づく本人確認を適切に行うための取り組みです。
一方で、在留期限を迎えたからといって、すべての銀行口座が自動的に凍結されるわけではありません。銀行ごとに対応は異なり、在留資格の更新状況や提出書類によっては、引き続き利用できる場合もあります。
この記事では、特定技能外国人の銀行口座が利用停止となるケースやその理由、在留資格の更新時に注意したいポイント、企業ができるサポートについてわかりやすく解説します。
特定技能外国人の銀行口座が凍結されることはある?
結論からいうと、特定技能外国人の銀行口座が利用停止や利用制限の対象となる場合があります。
ただし、「在留期限が切れた瞬間に必ず銀行口座が凍結される」というわけではありません。
近年は、不正送金やマネー・ローンダリングなどを防止するため、多くの金融機関が外国人利用者の在留資格を確認する取り組みを強化しています。
そのため、在留期限が過ぎ、在留資格の更新状況などを確認できない場合には、金融機関の判断により口座の利用が制限される場合があります。制限されるサービスや対応は銀行ごとに異なるため、利用している金融機関の案内を確認することが大切です。
なぜ銀行口座が利用停止になるの?
銀行が外国人名義の口座について在留資格を確認する理由は、不正利用を防止するためです。
金融機関は、犯罪収益移転防止法などに基づき、本人確認や取引時確認を適切に行うことが求められています。
近年では、帰国後に利用されなくなった口座が第三者へ譲渡されたり、不正送金などに悪用されたりする事例が問題となっています。そのため、外国人利用者の在留期限を確認し、必要に応じて在留資格を確認する書類の提出を求める金融機関が増えています。
これは特定技能外国人だけを対象としたものではなく、日本国内で口座を利用する外国人全体を対象とした金融機関の管理体制の一つです。
在留資格の更新・変更時に注意したいポイント
特定技能外国人が最も注意したいのは、在留資格の更新や変更を行うタイミングです。
在留期間の更新申請や在留資格変更申請を適法に行った場合には、一定期間引き続き日本に在留できる「特例期間」が設けられる場合があります。
しかし、金融機関は出入国在留管理庁への申請状況を自動的に把握できるわけではありません。
そのため、銀行から在留資格を確認する書類の提出を求められた場合は、速やかに対応しましょう。
また、銀行から確認の案内が郵送やメール、インターネットバンキングなどで届くこともあります。通知を見落としてしまうと、口座利用が制限される可能性があるため注意が必要です。
企業側も、在留期限の管理だけでなく、更新手続き中に銀行から案内が届いていないかを確認するよう、外国人社員へ声をかけると安心です。
帰国時は銀行口座をどうすればいい?
特定技能外国人が帰国する際は、銀行口座についても事前に確認しておくことが重要です。
帰国後に日本の銀行口座を利用する予定がない場合は、利用している金融機関の案内に従い、必要に応じて口座の解約手続きを行いましょう。
また、給与の受取りが完了しているか、公共料金や携帯電話料金などの引き落としが残っていないかも確認しておく必要があります。
帰国後に利用予定がない口座を放置すると、不正利用防止の観点から利用制限などの対象となる場合があります。帰国時は、利用している金融機関の案内に従い、必要に応じて口座の解約を検討しましょう。
企業としても、外国人社員が帰国・退職する際には、最終給与の振込確認や口座残高の確認、必要に応じた口座の手続きについて案内すると、帰国後のトラブル防止につながります。
企業ができるサポート
特定技能外国人が安心して働けるようにするためには、企業によるサポートも重要です。
例えば、次のような対応を行うことで、銀行口座に関するトラブルを防ぎやすくなります。
- 在留期限を定期的に確認する
- 更新・変更手続きを早めに進めるよう案内する
- 銀行から届いた通知を確認するよう周知する
- 帰国前に給与振込や各種引き落とし状況を確認する
- 必要に応じて登録支援機関と連携する
銀行口座が利用停止となると、給与の受取りや日常生活にも影響が及ぶ可能性があります。そのため、在留資格の更新手続きは余裕を持って進めるよう案内し、銀行口座に関する注意点もあわせて周知することが大切です。
まとめ
特定技能外国人の銀行口座は、在留期限が過ぎ、在留資格の更新状況などを金融機関が確認できない場合、利用停止や利用制限の対象となることがあります。
これは、不正利用防止や本人確認の強化を目的とした金融機関の対応であり、すべての銀行で一律に同じ運用が行われているわけではありません。
在留資格の更新や変更を行う際は、銀行から届く案内を確認し、在留資格を確認する書類の提出を求められた場合は速やかに対応しましょう。また、帰国時には口座残高や各種引き落としの状況を確認し、利用している金融機関の案内に従って必要な手続きを行うことが重要です。
企業にとっても、在留資格の管理だけでなく、銀行口座に関する注意点を外国人社員へ周知することは、安心して働ける環境づくりにつながります。
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