日本の税金が高い?-私の経験から感じた社会の恩恵

日本に駐在している外国人の中で、「日本の税金が高い」と感じる人は少なくありません。私もその一人です。日本に住み始めた当初は、年金、健康診断、所得税、住民税といったさまざまな税金が給料から引かれるのを見て、正直言って「なぜこんなに多くのお金を払わなければならないのか」と不満を抱いていました。特に、給料の約20%が税金として引かれるのは、家計にとって大きな負担に感じられました。

そんな私が、税金の重要性について初めて深く考えさせられたのは、今年の3月13日、私の息子が生まれた日のことです。

忘れられない息子の誕生

その日はラマダンの時期で、早朝にサフル(断食前の食事)を終え、休もうとしていた矢先に、妻が突然陣痛を感じました。朝5時頃、痛みが始まった妻を見て、すぐに病院に電話をかけました。病院からは「すぐに来てください」と言われたので、慌ててタクシーをアプリで予約し、病院に行く準備を進めました。

ところが、予想外のことが起こりました。タクシーが到着し、荷物を積み込もうとした瞬間、玄関で妻が「赤ちゃんの頭が出てきた!」と叫びました。私は一瞬パニックになりましたが、冷静を保つために何度も深呼吸をしました。そしてすぐに救急車を呼び、救急隊が到着するまでの間、かけ布団を取り出して妻と赤ちゃんを冷やさないようにしました。

税金で支えられる医療サービス

驚いたことに、救急車はわずか5分ほどで到着しました。救急隊員たちは非常に冷静かつ的確に対応してくれました。彼らは妻をすぐに救急車に運び、状況を確認しながらサポートしてくれました。そして、6時13分、なんと息子は救急車の中で無事に生まれました。私は、その瞬間、息子が無事に生まれたことに対して計り知れない安堵と感謝の気持ちを感じました。

この出来事を通じて、私は税金がただ高いだけではなく、それがどれほど社会全体の仕組みを支えているかを実感しました。日本では、救急車の出動は無料で、すぐに適切な医療支援を受けることができます。もし税金がなければ、こうしたサービスが提供されることもなく、あの時の息子や妻がどうなっていたか分かりません。

社会の一員としての意識

税金の使い道に対する理解が深まると、私の見方も変わりました。これまで不満を感じていた税金も、実は私たちが安心して生活できる社会を支えるための重要な仕組みであることを実感したのです。息子が無事に誕生したのも、こうした社会の恩恵のおかげです。

これからは、税金をただの負担と捉えるのではなく、自分がその社会の一員として支え、支えられているという意識を持って生活していこうと考えるようになりました。そして、日本とインドネシアの架け橋として、これからも自分ができることを通じて社会に貢献していきたいと思います。

このような体験を通して、税金が単なる負担ではなく、私たち一人ひとりの命や生活を守るために必要不可欠なものだと感じました。今後も、税金の意義を理解しながら、社会に役立つ存在でありたいと強く思っています。

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ドゥイ ウィチャクソノ
DWI WICAKSONO (ドゥイ ウィチャクソノ) 出身 インドネシア 言語 インドネシア語、ジャワ語、日本語 2011年10月~2014年9月 技能実習 2016年4月~2020年3月  吉備国際大学 2020年4月~2022年12月 協同組合、登録支援機関のスタッフ 2023年1月~現在に至る  Man to Man株式会社