ミャンマー人の出稼ぎ事情

 皆さんもご存じだと思いますが、現在ミャンマーの社会情勢は大変ことになっています。混乱が続き、国内では仕事も見つからない中で、多くの人は海外へ出稼ぎに出ています。そこで、今回は、ミャンマー人の出稼ぎ事情について紹介したいと思います。

学生の進学率

 ミャンマーは日本のようなアルバイトはなく、正社員としてフルタイムの働き方しかありません。そのため、ミャンマーではアルバイトしながら学校に通うことができず、学生の間は卒業まで家族がお金のサポートをしてくれます。
 一方でお金に余裕のない家庭では早めに学校を出て、若い時から働き始める人が多くいます。実際にミャンマーの高校進学率は50%程、大学進学率はさらに低く10%程。軍事クーデター以降多くの学校が閉鎖されたりしていることもあり、進学よりも早くから出稼ぎにでることを余儀なくされている国の状況が続いているのです。

ミャンマーの出稼ぎ事情

 若者の多くは都市や、海外へ出稼ぎに出ています。地方の場合仕事も少なく、家業を手伝うぐらいの仕事しかなく、あまり稼ぐことができません。より高い収入を求めて出稼ぎに出る若者が多いのです。

 また、かつては仕事をもとめて都市へ行くものが多くいましたが、現在は国の混乱も続いているため海外へ出ていく者が増えています。ただ、海外で働くためには、その国の言葉を学習する必要もあり容易なことではありませんが、家族の生活を支えるために必死に働いているのです。

国外で頑張るミャンマー人

 海外へ出稼ぎに出るミャンマー人の多くは、タイ、マレーシア、シンガポール、韓国、日本などの国に行っています。日本へは技能実習制度で来る方から、特定技能ビザや、留学ビザをとって日本に来る人も増えています。

 また、ミャンマー人は日本人と同じく『郷に入っては郷に従え』という考えを持っています。ですから、異国の地であってもその国の文化やルールにしっかりと順応し、懸命に働いています。彼らは、故郷に残る家族を支えるため、慣れない環境でも一生懸命働き、毎月の仕送りを欠かしません。

家族が大好きなミャンマー人!

 家族を大事にするミャンマー人は、離れていても家族へのプレゼント等の家族サービスも欠かしません。毎月の仕送りとは別に、サプライズで贈り物をするのです。自身が国外にいて家族に会えない場合は、代理人にプレゼントを家族に渡してもらうというサービスもあります。お金や、家具、家電などのプレゼントを代理人に預け、家族に渡してもらい、渡した様子を撮影し、その写真を後日送ってもらうという流れでプレゼントを届けるのです。
 プレゼントをして喜んでくれた家族の映像を見て嬉しくなり、より家族のために頑張ろうという気持ちになるのです。

 以下が、実際に代理でプレゼントを渡してくれるサービスを行っている方と、依頼者のご家族の方のお写真です。写真中央に移っているものが、お札で作った花束で、これがとても喜ばれるんだそうです。

まとめ

 ミャンマーの社会情勢が混乱している中、多くのミャンマー人が仕事を求めて海外に出稼ぎに出ています。特に若者は高収入を求めて都市や海外で働くことが増えていますが、言語の壁や文化の違いにも順応しながら懸命に働いています。彼らは家族を大切にし、仕送りやプレゼントを通じて家族を支える努力を続けています。ミャンマー人の家族への愛情が、彼らを異国での厳しい労働へと駆り立てているのです。

 また、日本の皆さんにぜひ知っていただきたいのは、ミャンマー人を雇用することが、その人だけでなく、その家族全体を支えることにつながるという点です。もちろん、全員がいい人ではありませんが、ミャンマー人は気立てがよく、真面目な人が多いです。彼らを受け入れることで、日本とミャンマーの絆がさらに強まり、互いに成長できると信じています。