特定技能1号で働く外国人材にとって、「5年後どうなるのか」は非常に重要なテーマです。
「特定技能2号に進めば長く働ける」と考える方も多いですが、実際のデータを見ると、2号へ進める人は一部に限られています。
本記事では、法務省の資料をもとに、特定技能1号の「その後」の進路と現実、そして将来に向けたキャリアをわかりやすく解説します。
目次
特定技能1号のその後の進路とは
特定技能1号で来日した外国人の進路は、大きく分けて次の4つです。
- 特定技能2号へ移行
- 他の在留資格へ変更
- 日本から出国
- 期間満了で終了
制度上、特定技能1号は最長5年と定められており、その後は必ず何らかの選択をする必要があります。
そのため、「5年後をどうするか」は入国時点から考えておくべき重要なテーマです。
データで見る特定技能1号の現実
まずは、制度開始初期(令和元年)に特定技能1号だった人のその後を見てみましょう。

法務省のデータによると、結果は以下の通りです。
- 出国:1,177人(72.4%)
- 特定技能2号:185人(11.4%)
- その他の在留資格:253人(15.6%)
- 不法残留など:ごく少数
この数字から読み取れるポイントは非常に明確です。
まず、7割以上が出国しているという点。
つまり、多くの人は日本での就労を継続していません。
そしてもう一つが、特定技能2号に進んだ人は約1割にとどまるという現実です。
「頑張れば誰でも2号に行ける」というイメージとは異なり、実際には限られた人のみが進級していることが分かります。
令和2年データでも変わらない傾向
続いて、令和2年に特定技能1号だった人のデータを見てみましょう。制度が認知され、人数が多いことも注目すべきポイントです。

結果は以下の通りです。
- 出国:9,328人(64.9%)
- 特定技能2号:約14%
- その他の在留資格:約17%
多少の変動はあるものの、全体の傾向は大きく変わっていません。
- 出国が最も多い
- 2号は一部のみ
- 一定数は他資格へ移行
つまり、制度として「2号に進む人は少数派」という構造になっていると言えます。
なぜ、特定技能2号に進める人は少ないのか
では、なぜ特定技能2号に進める人は限られているのでしょうか。
主な理由は3つあります。
① 対象分野が限定されている
特定技能2号は、すべての分野で認められているわけではありません。
制度改正により対象は拡大していますが、それでも分野ごとに条件が異なります。
また、令和元年から数年間は、まだ2号試験自体が未整備だった分野が多く、目指したくても目指せなかった背景があります。
② 試験の難易度が高い
2号に進むためには、より高度な技能試験に合格する必要があります。
- 実務経験
- 技能試験
- 分野ごとの基準
これらをクリアする必要があり、単に働いているだけでは到達できません。
③ キャリア設計が必要になる
2号は長期就労が前提となるため、企業側にも受け入れ体制が求められます。
- 教育体制
- 配属の工夫
- 長期雇用の意向
こうした条件が揃わないと、2号への移行は難しくなります。
また、5年満了だけでなく、途中で帰国を選んだ層もこの「出国7割」に含まれており、早期離職者も一定数含まれることも認識しておく必要があります。
特定技能1号のキャリアは2号だけではない
ここで重要なのは、「2号に進めなければ終わりではない」という点です。
実際のデータでは、約15〜17%の人が別の在留資格へ移行しています。
主な例としては、
- 技術・人文知識・国際業務
- 介護
- 特定活動
- 家族滞在
などがあります。
つまり、特定技能1号は「ゴール」ではなく、
キャリアの通過点として活用することができる制度です。
まとめ
特定技能1号のその後をデータで整理すると、約6〜7割が出国、特定技能2号へ進むのは約1割程度という現実が明らかになっています。
つまり、企業側が何も対策を講じなければ、多くの人材が期間満了とともに離職してしまう可能性が高いということです。
一方で、特定技能2号への移行や他の在留資格への変更を実現しているケースでは、早期からの育成・試験対策・キャリア設計が行われている傾向があります。
特に2号は試験合格や実務要件が必要となるため、受入企業の関与が結果を大きく左右します。
今後、外国人材の確保がさらに難しくなる中で、
「採用して終わり」ではなく、定着・育成・キャリア支援までを見据えた受入れ体制の構築が重要になります。
LinkAsiaでは、
- 特定技能2号への移行を見据えた育成支援
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特定技能人材の“その後”まで見据えた運用をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。















