特定技能制度における航空分野について概要から採用の流れまで徹底解説!

近年、日本の航空業界は、高度な技術力と安全管理が求められるため業界での人材確保が非常に重要です。
しかし、少子高齢化や労働力不足が深刻化している中、航空分野でもその影響が顕著に表れています。
このような状況の中で、特定技能制度が注目されています。特定技能制度は、外国人労働者を積極的に受け入れ業界の労働力を補うための重要な手段となっています。
特定技能制度を利用して外国人材を採用することが、今後ますます一般的になるでしょう。

本記事では、特定技能制度における航空業の分野の仕事内容、求められるスキルや資格、外国人材を採用する際の流れや注意点について詳しく解説します。

特定技能制度とは?

特定技能制度は、2019年に日本政府が導入した新しい外国人労働者の受け入れ制度です。
この制度は、特定の分野において高度な技能を有する外国人を日本に呼び寄せ、労働力不足を補うことを目的としています。

特定技能は、以下の2つのカテゴリに分かれています。

特定技能1号

一定の技能と日本語能力を持つ外国人を対象としたビザ。最大5年間の滞在が可能です。

特定技能2号

より高度な技能を持つ外国人を対象としたビザ。定住が可能で家族の帯同も認められますが、対象となる職種は限られています。

特定技能制度についてより詳しい内容については下記の記事をご覧ください。

主な仕事内容は?

特定技能「航空業」の外国人労働者は、主に以下の2つの業種に従事することができます

・航空グランドハンドリング業務
・航空整備業務

これらの業務は、それぞれ異なる役割と技術が求められるため、特定技能1号として働く外国人労働者が持つべきスキルや資格も異なります。以下では、各業務の内容について詳しく見ていきます。

  • 航空グランドハンドリング業

航空グランドハンドリング業務は、飛行機が空港に到着してから出発するまでの間に行われる一連の地上作業を指します。
この業務には、空港内での機内サービスや荷物の取り扱い、航空機の誘導などが含まれます。
航空業界においては、グランドハンドリング業務は非常に重要であり、航空機のスムーズな運行を支える基盤となっています。

搭乗手続き(チェックイン)

グランドハンドリングスタッフは、飛行機の搭乗手続きを担当します。これには、乗客の搭乗券の確認や荷物の受け渡し、パスポートチェックなどが含まれます。また、特に国際線の場合は、乗客のビザや入国審査書類の確認も重要な仕事です。

荷物の積み込み・積み下ろし

乗客の手荷物や貨物の積み込みや積み下ろしを担当します。これには荷物の仕分けや、適切な方法での積み込み、航空機に搭載する際の注意点を守ることが含まれます。適切な荷物管理を行い、損傷を避けることが求められます。

航空機の誘導

飛行機が駐機場に到着した際や、出発の際に航空機を駐機場に誘導する業務です。誘導スタッフは、特殊な車両や手信号を使用して航空機を誘導します。この業務は正確さと安全性が非常に重要で、航空機の衝突や事故を防ぐために注意深い作業が求められます。

機内清掃・機内サービス

航空グランドハンドリング業務の一環として、機内の清掃や機内サービスを行うこともあります。例えば、飛行機のシートやトイレを清掃し、次の便の乗客が快適に過ごせるように準備します。

  • 航空整備業務
    航空整備業務は、航空機の安全を確保するための整備作業を行う重要な役割を担います。
    航空機は非常に複雑で精密な機械であり、その安全性を維持するためには高い技術と知識が必要です。
    特定技能1号の外国人労働者は、この業務において、機体の点検や修理、部品交換などを担当します。
定期点検と整備

航空機は定期的に点検を受ける必要があります。
航空整備士は、エンジンや機体の構造部品、電気系統などを点検し、不具合を早期に発見する役割を果たします。
点検後には、その結果に基づいて必要な修理や部品交換を行います。

部品の交換

整備士は、航空機の各部品を交換する作業を行います。
部品にはエンジンや油圧系統、飛行機の外装部分まで多岐にわたり、適切な手順と技術が求められます。
部品交換後には、交換した部品が正常に機能するかどうかを確認するテストも実施します。

修理作業

万が一、航空機に不具合が発生した場合、その原因を特定し修理作業を行います。
例えば、エンジンのトラブルや機体の損傷などが発生した場合、専門知識と高度な技術を駆使して修理を行い、航空機が安全に運行できる状態に戻します。

整備記録の管理

整備を行った結果や交換した部品の情報を記録し、整備履歴を管理します。この情報は、将来の点検や修理作業において非常に重要なデータとなります。

特定技能「航空業」には、航空グランドハンドリング業務と航空整備業務という2つの業種があり、それぞれ異なる役割を担っています。
航空グランドハンドリング業務は、空港での地上作業を担当し航空機の運行を支える重要な役割を果たします。一方、航空整備業務は、航空機の安全性を確保するために必要な整備作業を行い、高度な技術と知識を必要とします。

航空業の求められるスキルと資格

航空業における特定技能1号の外国人労働者には、航空グランドハンドリング業務と航空整備業務という2つの業種があり、どちらの業務にも、安全管理意識コミュニケーション能力技術的な知識が求められます。
企業としては、外国人労働者を雇用する際、これらのスキルや資格を確認し業務に適した人材を採用することが重要です。

  • 1  安全管理意識
    グランドハンドリング業務では、機内や荷物、航空機の安全を最優先に考えることが求められます。特に、航空機誘導時には周囲に注意を払い、事故が発生しないように心掛けることが必要です。
  • 2 日本語能力
    搭乗手続きや乗客対応、航空機の整備においては一定の日本語能力が求められます。
    特に、乗客と直接コミュニケーションを取るためや航空機の整備においては、基本的な会話能力が必要です。
    また、チームメンバーと協力しながら作業を進めるためにも、日本語能力試験(JLPT)のN3以上が望ましいです。
  • 3 体力と柔軟性
    荷物の積み込みや誘導などの作業は体力を要するため、体力面の準備が必要です。また、天候や時間帯に関わらず作業を行うため、柔軟性も重要です。
  • 4 航空整備士資格
    航空整備業務を行うためには、国家資格である「航空整備士」の資格を取得していることが基本です。
    航空整備士資格には、1級、2級、3級があり、それぞれに応じた実務経験が求められます。
    特定技能1号の外国人労働者がこの資格を有している場合、業務をスムーズに進めることができます。
  • 5 高度な技術と知識
    航空機の整備には、非常に高い技術と機械に関する深い知識が求められます。特に、エンジンや電気系統、通信機器など、専門的な知識が必要です。

また、特定技能2号を取得の際は、1号と同じく試験合格とともに
空港グランドハンドリング業務においては、現場において技能者を指導しながら作業に従事した実務経験、航空機整備業務においては、現場において専門的な知識・技量を要する作業を実施した実務経験が必要となるため企業もサポートをしっかり行っていくことが重要となります。

外国人材の受け入れにおける必要なこと

外国人材を航空業で採用する際には、企業が守るべき要件は以下の6つの条件です。

  1. 空港管理者により空港管理規則に基づく当該空港における営業の承認等を受けた事業者若しくは航空運送事業者又は航空法に基づき国土交通大臣の認定を受けた航空機整備等に係る事業場を有する事業者若しくは当該事業者から業務の委託 を受ける事業者であること。
  2. 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「航空分野特定技能協議会」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
  3. 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
  4. 特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導 に対し、必要な協力を行うこと。
  5. 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記2から4の条件を満たす登録支援機関に委託すること。
  6. 特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること。

つまりは、国土交通省が設置する協議会に加入が必須で、調査や指導に協力をしなければなくてはならないということです。

これらを満たすことによって、企業は航空業界の基準に則った運営ができ、外国人労働者が安全で適正な労働環境で働くことが保証されます。
また、これらの要件は企業が航空分野の特定技能外国人を適切に管理し、協力体制を構築するために必要不可欠なものです。

【航空分野特定技能協議会とは?】
・特定技能外国人の適正な受入れ及び保護を行うため
・各地域の特定技能所属機関が必要な特定技能外国人を受け入れるため
構成員が相互に連絡を図ることを目的としている機関です。加入するにあたって費用はかかりません。

そして、上記の他に業務を安全かつ円滑に運営するために
労働環境と安全対策の整備、福利厚生と社会保険の整備、文化的な理解と多様性の尊重など
出来る限りのサポートを行っていくことも必要不可欠となります。

外国人材採用の流れ

外国人材を採用する際の流れを、採用担当者としてしっかり把握しておくことが重要です。

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採用計画の策定
まず最初に、自社の航空業に必要なスキルや人員数を把握し、どのような外国人材が必要かを明確にします。具体的には、必要な技能や資格をもとにどの国からどの程度の技能を持った外国人材を採用するかを検討します。

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求人広告の掲載
外国人材を対象に求人を行う際には、特定技能航空業の求人広告を適切な媒体に掲載します。
求人情報には、仕事内容や求められるスキル・日本語能力の要件・待遇などを明確に記載することが大切です。

また、外国人材に特化した有料職業紹介事業者に依頼することもオススメです。

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面接と選考
応募者が集まったら、面接を行います。面接では、建設業に必要な基本的な技術やコミュニケーション能力・日本語能力を確認します。
場合によっては、実技試験や技能試験を実施することもあります。

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就労ビザの取得
選考を通過した候補者には、就労ビザを取得する必要があります。
特定技能1号ビザを取得するためには、所定の手続きを踏み必要な書類を提出します。
ビザの取得には一定の時間がかかるため、早めに手続きを始めることが重要です。

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入社後の研修とフォローアップ
外国人材が入社した後は、業務に必要な研修を実施し適切な指導を行います。
特に日本の職場文化や安全衛生については、入社前後にしっかりと教育を行うことが求められます。

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まとめ

特定技能1号を活用することで、航空業界の労働力不足を解消することができます。
外国人労働者の採用には、技能試験や日本語能力・適切な契約内容・生活支援などが重要であり、企業としての準備が必要です。
採用担当者は、これらのポイントをしっかりと押さえ、外国人労働者が日本で安心して働ける環境を提供することが求められます。必要に応じて登録支援機関に相談をし、確実な運用を行いましょう。


当社の人材紹介サービスを活用することで、採用から業務の安定運営・外国人スタッフの定着までトータルでサポートいたします。ぜひご相談ください。

参考サイト 国土交通省 航空分野における新たな外国人材の受入れ

https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr19_000011.html

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渡邉 圭史
人材ビジネス会社の一員として外国人雇用の推進に取り組んでいます。特定技能や技能実習制度、外国人労働者の受け入れについて、実務や日々の学びを通じて経験を積んでいます。このブログでは、外国人雇用に関する知識や最新情報、実際の現場で感じたことを分かりやすくお届けします。ぜひ気軽に読んでいただければと思います!