特定技能制度における【ビルクリーニング】分野について概要から採用の流れまで徹底解説!

近年、日本では特定技能制度を活用した外国人労働者の受け入れが進んでおり、その中でもビルクリーニング分野は非常に重要な役割を果たしています。
ビルクリーニング業務は、都市部の発展とともにその需要が増加しており、清掃業務を効率的にこなすためには専門的な技能と知識が求められます。
特定技能制度を利用して外国人材をビルクリーニング分野に採用することが、今後ますます一般的になるでしょう。

本記事では、特定技能制度におけるビルクリーニング分野に焦点を当て、企業側がどのように外国人材を採用し活用していくべきかについて解説します。

特定技能制度とは?

特定技能制度は、日本国内で外国人労働者を受け入れるための在留資格であり2019年4月に施行されました。
この制度は、日本の労働力不足を解消するため特定の技能を有する外国人を対象にしており、14の業種から16の業種に拡大されました。

特定技能は、以下の2つのカテゴリに分かれています。

特定技能1号

一定の技能と日本語能力を持つ外国人を対象としたビザ。最大5年間の滞在が可能です。

特定技能2号

より高度な技能を持つ外国人を対象としたビザ。定住が可能で家族の帯同も認められますが、対象となる職種は限られています。

ビルクリーニング分野は基本的には「特定技能1号」に該当しますが、ビルクリーニング分野で特定技能2号を取得した方は、“建築物内部の清掃に、複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する業務および同業務の計画作成、進行管理その他のマネジメント業務に従事できます

特定技能制度についてより詳しい内容については下記の記事をご覧ください。

主な仕事内容は?

ビルクリーニングでは、商業施設やオフィスビル・ホテル・レストラン・病院・官公庁・銀行などの建物内外の清掃業務を担当する仕事です。
ただし、ホテルでの接客やレストランサービスは「宿泊」 または「外食」に含まれるため、「ビルクリーニング」の在留資格では働けません。
特定技能1号で働くビルクリーニングスタッフの主な業務は以下の通りです。

清掃業務

施設が常に清潔であることは、利用者の満足度を大きく左右するため、特に商業施設やオフィスビル・ホテルなどでは清掃が非常に重要です。
床清掃
→モップや掃除機を使ってオフィスや商業施設の床を清掃します。ビルの規模や使用されている床の材質によって清掃方法も異なります。
窓拭き
→高層ビルの場合、窓拭きが必要になります。これには高所作業車を使用することもあります。
トイレや洗面所の清掃
→ビル内のトイレや洗面所は、清潔さが求められる重要な部分です。便器・鏡・洗面台の清掃を行います。

点検業務

一部のビルクリーニング業務では、清掃だけでなく設備の点検やメンテナンスも行います。
設備の点検
→定期的な設備点検を行い、必要な清掃やメンテナンスが施されているかを確認します。例えば、空調設備や照明機器の点検があります。
簡単な修理作業
→電球交換や、水回りの簡単な修理作業も担当する場合があります。

特別清掃業務

カーペットやカーテンのクリーニング
→一部のビルでは、カーペットやカーテンのクリーニングも専門業務として行われます。
床面のワックスがけ
→施設によっては、床面のワックスがけが定期的に必要となることもあります。
これらの特殊な清掃業務には、特別な技能が求められます。

高所作業

高所清掃
→高層ビルでは、外壁の清掃や窓拭きが必要です。これには特別な技術や設備が必要となります。

ゴミ処理業務

清掃だけでなく、ビル内で発生するゴミの収集や分別処理も業務に含まれます。
適切なゴミ処理が行われることで、施設全体が清潔に保たれます。

また、ビルクリーニング業務には多くの清掃道具や機器を使用します。
必要な資格等があるのでそちらも合わせて確認していきましょう。

ビルクリーニングの求められるスキルと資格

単純な掃除だけでなく、建物を維持するために必要な高度な清掃技術や設備管理の知識も求められます。
そのためビルクリーニング分野で外国人材を採用する際には、求められるスキルと資格を理解することが重要です。

日本語能力
ビルクリーニング業務においては、清掃業務に関する指示や注意点を理解しコミュニケーションを取ることが重要です。
特定技能ビルクリーニングの職種では、日本語能力試験(JLPT)などである程度の日本語能力を求められることが多いです。
指示を理解するだけでなく、報告や連絡・相談もスムーズに行えるような日本語力が求められます。

求められる技能
清掃の基本技術 : 床や窓、トイレなどの清掃に必要な基本的な技術を習得していることが求められます。
高所作業の技術 : 高層ビルでの作業がある場合、ロープや専用機器を使った高所作業の技術が求められることがあります。
機器の使い方 : 例えば、掃除機、モップ、ワックスがけの機器、洗浄機などを安全に使用する技術が必要です。

必要な資格
特定技能ビルクリーニングの資格 : 特定技能ビルクリーニング分野で働くためには、一定の試験に合格することで得られる「特定技能ビルクリーニング資格」が必要です。この資格は、日本語能力や基本的な業務知識を確認する内容が含まれています。
労働安全に関する資格 : 高所作業や機器使用時には、労働安全衛生に関する資格(例:作業主任者、危険物取扱者)も役立ちます。

特定技能ビザ人材の受け入れにおける必要なこと

外国人材をビルクリーニング分野で採用する際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

労働環境と安全管理
ビルクリーニング業務は身体的な負担がかかる場合があり、また高所作業や機器の使用を伴うため安全管理が非常に重要です。
外国人スタッフを雇う場合、十分な安全教育や研修を実施し労働安全に配慮した職場環境を整える必要があります。

文化的な理解
外国人スタッフには、異なる文化や習慣を持つ人が多いため、労働環境や職場でのルールをきちんと説明することが重要です。
また、仕事以外での生活面でのサポートが求められることもあります。
特に住居や生活面での支援を行うことで、働きやすい環境を提供できます。

外国人材採用の流れ

外国人材をビルクリーニング分野で採用する際の流れを、採用担当者としてしっかり把握しておくことが重要です。

STEP

採用計画の策定
まず最初に、自社の清掃業務に必要なスキルや人員数を把握し、どのような外国人材が必要かを明確にします。
具体的には、必要な技能や資格をもとにどの国からどの程度の技能を持った外国人材を採用するかを検討します。

STEP

求人広告の掲載
外国人材を対象に求人を行う際には、特定技能ビルクリーニングの求人広告を適切な媒体に掲載します。
求人情報には、仕事内容や求められるスキル・日本語能力の要件・待遇などを明確に記載することが大切です。

STEP

面接と選考
応募者が集まったら、面接を行います。
面接では、清掃業務に必要な基本的な技術やコミュニケーション能力・日本語能力を確認します。場合によっては、実技試験や技能試験を実施することもあります

STEP

就労ビザの取得
選考を通過した候補者には、就労ビザを取得する必要があります。
特定技能1号ビザを取得するためには、所定の手続きを踏み必要な書類を提出します。
ビザの取得には一定の時間がかかるため、早めに手続きを始めることが重要です。

STEP

研修と就業開始
外国人材が入社した後は、業務に必要な研修を実施し適切な指導を行います。
特に日本の職場文化や安全衛生については、入社前後にしっかりと教育を行うことが求められます。

まとめ

特定技能制度を活用した外国人材の採用は、ビルクリーニング分野でもますます重要になっています。
特定技能1号ビルクリーニングでは、専門的な技能と日本語能力が求められますが、正しい選考と研修を行うことで高品質な清掃業務を提供できる優れた人材を確保することが可能です。
企業の成長を支える貴重な人材を確保しビルクリーニング業務の品質向上にも繋がります。

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渡邉 圭史
人材ビジネス会社の一員として外国人雇用の推進に取り組んでいます。特定技能や技能実習制度、外国人労働者の受け入れについて、実務や日々の学びを通じて経験を積んでいます。このブログでは、外国人雇用に関する知識や最新情報、実際の現場で感じたことを分かりやすくお届けします。ぜひ気軽に読んでいただければと思います!