登録支援機関は「50名・10社」が新基準に?2027年施行予定の要件厳格化と企業への影響を解説

特定技能制度の拡大に伴い、外国人材を支援する「登録支援機関」の役割は年々重要になっています。一方で近年は、支援実績が乏しい登録支援機関や、十分な支援体制を持たない事業者の存在も課題として指摘されています。

こうした状況を受け、政府は登録支援機関の質の向上を目的として制度の見直しを進めており、2027年頃の施行を見据えた要件厳格化が検討されています。

特に注目されているのが、支援担当者1人あたりが担当できる上限を「受入れ企業10社未満」「特定技能外国人50人未満」とする新たな人員基準です。2027年4月の施行(予定)に向けて議論が進んでおり、今後は人員体制に余裕のない登録支援機関がこれまでの支援規模を維持できなくなる可能性もあります。特定技能外国人を受け入れている企業にも影響が及ぶことが予想されるため、本記事では、現在の登録支援機関制度と今後予定されている見直し内容、企業が確認しておくべきポイントについて解説します。

登録支援機関とは何か

登録支援機関とは、特定技能外国人を受け入れる企業に代わり、法律で定められた支援業務を実施する機関です。

特定技能1号では、外国人が日本で安定して働き生活できるよう、以下のような支援が義務付けられています。

  • 事前ガイダンス
  • 出入国時の送迎
  • 住居確保支援
  • 生活オリエンテーション
  • 日本語学習支援
  • 相談・苦情対応
  • 行政手続きの補助
  • 定期面談

企業が自社で支援を行う「自社支援」も可能ですが、多くの企業は専門知識や対応体制の観点から登録支援機関へ委託しています。

近年は特定技能外国人数の増加に伴い、登録支援機関の数も急増しています。しかし、その中には十分な支援体制を構築できていない事業者もあり、制度全体の品質向上が課題となっています。

登録支援機関の種類については過去記事をチェック

登録支援機関にはどんな種類がある?4タイプの強みと企業が選ぶポイント

なぜ登録支援機関の厳格化が進められているのか

今回の制度見直しの背景には、登録支援機関の質のばらつきがあります。

特定技能制度は、単に外国人を採用する制度ではなく、「適切な支援」を前提とした制度です。そのため、支援体制が不十分な登録支援機関が増えると、外国人材の生活や就労環境に影響を与える可能性があります。

また、近年は特定技能外国人の受入れ人数が急増しており、支援業務も高度化しています。

例えば、

  • 日本語学習支援
  • 転職相談
  • ハラスメント対応
  • 行政手続き支援
  • 生活トラブル対応

など、求められる支援内容は年々複雑になっています。

こうした背景から、一定以上の実績や支援体制を持つ事業者が支援を担うべきではないかという議論が進められています。

制度の目的は登録支援機関の数を減らすことではなく、支援品質の向上と適正な制度運営にあると考えられます。

話題になっている「50名・10社」とは

今回、登録支援機関の要件厳格化において特に注目されているのが、支援担当者1人あたりがサポートできる規模を制限する、以下の基準です。

  • 支援対象外国人数:1人につき50人未満
  • 受入れ企業(所属機関):1人につき10社未満

という基準です。

これは「登録支援機関全体で50人までしか支援できない」という意味ではなく、「常勤の支援担当者1人が抱えられるキャパシティの上限」を定めたものです。

これまで、一部の登録支援機関では、1人の担当者が多くの企業や外国人を抱え、サポートの手が回りきっていないという「質のばらつき」が課題視されていました。 仮にこの上限基準が導入された場合、「少数のスタッフで100人以上の外国人を担当していた格安の登録支援機関」や、「常勤の専任スタッフを配置していない小規模な機関」などは、人員を増強しない限り、現在の契約を維持できなくなる可能性があります。

小規模な登録支援機関はどうなるのか

制度改正が実施された場合、最も影響を受けるのは小規模な登録支援機関と考えられます。

もちろん、小規模だから支援品質が低いというわけではありません。

実際には、

  • 手厚いサポートを行っている
  • 地域密着で対応している
  • 外国人との信頼関係が強い

といった優良な事業者も数多く存在します。

しかし、新基準が導入された場合は、支援担当者の「人数(体制)」が厳しく問われることになります。 担当者を増員して常勤化する余裕がない小規模な事業者の場合、

他の登録支援機関との統合

支援事業からの撤退・縮小

などを検討せざるを得ないケースも出てくる可能性があります。今後は登録支援機関業界全体の再編が進む可能性もありそうです。

受入れ企業が今から確認しておくべきこと

今回の議論は登録支援機関向けの制度改正ですが、実際に影響を受けるのは受入れ企業でもあります。

現在委託している登録支援機関が将来的に要件を満たせなくなった場合、別の登録支援機関への切替えが必要になる可能性があります。

企業としては、

◆支援体制の確認

  • 支援担当者は十分な経験があるか
  • 定期面談や相談対応は適切に行われているか
  • 多言語対応は可能か

◆実績の確認

  • 支援人数
  • 支援企業数
  • 特定技能分野の実績

などを改めて確認しておくと安心です。

また、今後は登録支援機関選びにおいても、「料金が安いか」だけではなく、「継続的に制度対応できるか」という視点が重要になってくるでしょう。

まとめ

登録支援機関制度は、特定技能外国人の増加に合わせて見直しが進められており、2027年4月(予定)には支援担当者に関する要件が厳格化されます。

特に「1人あたり10社未満・50人未満」という上限基準が導入されることで、人員体制の弱い一部の登録支援機関は、事業の縮小や撤退を迫られることも考えられます。

一方で、この見直しは制度全体の支援品質向上を目的としたものであり、受入れ企業にとっても登録支援機関を見直すきっかけになるかもしれません。

特定技能制度は今後も制度改正が続くことが予想されます。受入れ企業は、外国人材の採用だけでなく、支援体制やパートナー選びまで含めて中長期的に考えていくことが重要です。

Link Asiaでは、特定技能外国人の受入れ支援から登録支援業務、各種制度改正への対応までサポートしています。現在利用している登録支援機関の体制確認や、今後の委託先選定についてお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。

参考サイト
e-Govパブリックコメント
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000300223
※番号7の部分に該当内容の記載

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渡邉 圭史
人材ビジネス会社の一員として外国人雇用の推進に取り組んでいます。特定技能や技能実習制度、外国人労働者の受け入れについて、実務や日々の学びを通じて経験を積んでいます。このブログでは、外国人雇用に関する知識や最新情報、実際の現場で感じたことを分かりやすくお届けします。ぜひ気軽に読んでいただければと思います!