特定技能外国人を採用する際、「面接では何を質問すればよい?」「日本語力はどのように確認すればよい?」と悩む企業担当者もいるでしょう。
特定技能の採用面接では、一般的な人柄や志望動機だけでなく、実際に担当する業務に必要な経験・技能、仕事内容への理解、労働条件の認識などを確認することが重要です。
一方、外国人だからといって、本籍・出生地や家族、宗教など、本人の適性・能力に関係のない事項を採用選考で把握することは、就職差別につながるおそれがあります。
この記事では、特定技能外国人の面接で使える具体的な質問例と、企業が確認しておきたいポイント、避けたいNG質問について解説します。
特定技能外国人の面接では何を確認する?
特定技能外国人の面接では、「日本語が上手だから採用」「明るく受け答えできたから採用」といった印象だけで判断するのではなく、実際の仕事との適合性を確認することが大切です。
在留資格「特定技能」は、特定産業分野において一定の技能水準が求められる在留資格です。従事する業務は分野ごとに定められているため、自社で予定している仕事内容と本人の技能・経験が合っているかを確認しましょう。
また、特定技能外国人との雇用契約には、報酬額が同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上であることや、所定労働時間が通常の労働者と同等であることなどの基準があります。
面接は企業が外国人を選考するだけの場ではありません。仕事内容や勤務地、勤務時間、給与、休日などを企業側から分かりやすく説明し、本人が条件を正しく理解しているか確認する場としても活用しましょう。
業務経験・スキルについて聞きたい質問例
まず確認したいのが、これまでの業務経験と実際にできる仕事です。
例えば、「これまでどのような仕事をしていましたか?」「前の職場では1日の仕事をどのような流れで行っていましたか?」「一人でできる作業と、まだ教えてもらう必要がある作業を教えてください」といった質問が考えられます。
製造現場なら使用した機械や担当工程、外食なら調理・接客、介護なら担当した介助など、採用する分野や実際に担当してもらう業務に合わせて具体的に掘り下げるのがポイントです。
資格や試験への合格だけで判断せず、実際の経験を本人の言葉で説明してもらうことで、入社後に任せられる仕事をイメージしやすくなります。
さらに、「仕事でミスをしたときはどうしますか?」「分からない作業を指示されたらどうしますか?」といった質問も有効です。技能だけでなく、報告・連絡・相談ができるかも確認できます。
日本語力や働き方を確認する質問例
特定技能の採用では、日本語試験の結果だけでなく、自社の現場で必要なコミュニケーションが取れるかを面接で確認することも重要です。
例えば、「上司の指示が分からなかったらどうしますか?」「体調が悪くて会社を休みたいとき、誰にどのように伝えますか?」「仕事で困ったことがあったらどうしますか?」など、実際の勤務場面を想定して質問してみましょう。
難しい日本語を使って知識を試すよりも、業務上必要な指示を理解できるか、分からないことを確認できるか、自分から報告・相談できるかを見る方が実務的です。
企業側からも、勤務時間、休日、給与、仕事内容、勤務地などを分かりやすく説明しましょう。
特定技能の「雇用条件書」は、申請人が十分に理解できる言語で作成し、本人が内容を十分に理解したうえで署名することが求められています。
面接の段階から労働条件について認識のズレがないか確認しておけば、入社後の「聞いていた仕事や条件と違う」といったトラブルの防止にもつながります。
転職者の面接では在留資格と仕事内容も確認する
すでに日本で特定技能として働いている外国人を中途採用する場合は、これまでの仕事内容や今後の転職スケジュールについても確認しておきましょう。
質問例としては、「現在はどのような業務を担当していますか?」「今回転職したい理由は何ですか?」「現在の会社ではいつまで働く予定ですか?」などがあります。
特定技能外国人は転職が可能ですが、所属機関を変更する場合は新たな会社を前提とした「在留資格変更許可申請」が必要です。契約を結んだからといって、すぐに働き始められるわけではない点に注意しましょう。
また、同一分野内での転職か、他分野からの切り替えかの確認も重要です。
分野によっては受入れ上限数の関係で、他分野からの変更申請が制限されている時期もあります。本人が必要な技能要件(試験合格や実務経験)を満たしているか、自社の募集分野と合致しているかを事前に確認しておきましょう。
特定技能の面接で避けたいNG質問とは?
外国人との面接では、場を和ませようとして、仕事と直接関係のない個人的な質問をしてしまうケースがあります。
厚生労働省は「公正な採用選考」の基本として、本人の適性・能力に基づいた選考を行うよう求めています。本籍・出生地、家族の職業や収入、宗教、生活信条など、業務に適性のない事項を把握することは就職差別につながるおそれがあります。
外国人面接で特に注意したいのが、「母国の家族への仕送り額」や「家庭の事情」、「宗教上の習慣(礼拝や食事制限)を完全に放棄できるか」といった、個人のプライバシーや基本的人権に関わる質問です。
業務上の調整(例:宗教上の食事制限や休憩時間の配慮が必要か)について確認したい場合は、「業務に支障が出るか」を聞くのではなく、「勤務にあたって会社として配慮・確認しておくべき事項はありますか?」と、本人の意思や業務遂行の観点から確認する工夫が大切です。
まとめ
特定技能外国人の面接では、日本語で会話できるかだけでなく、業務経験や技能、仕事内容への理解、労働条件の認識などを具体的に確認することが重要です。
転職者の場合には、現在の仕事内容や在留資格を確認し、転職後の業務に必要な技能要件を満たしているか、在留資格変更許可申請が必要になることも把握しておきましょう。
一方、本籍・出生地や家族、宗教など適性・能力と関係のない事項を安易に質問することは避け、公正な採用選考を行うことが大切です。
Link Asiaでは、特定技能外国人の採用や面接、在留資格に関するご相談にも対応しています。採用する人材の見極めや手続きに不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
















