近年、日本の深刻な人手不足を背景に、外国人材の活用がますます重要視されています。その中でも特に注目されているのが「特定技能ベトナム人材」です。以前、技能実習制度を利用していた企業さまにとって、特定技能制度は新たな選択肢となっており、即戦力としての人材確保が可能です。
本記事では、特定技能制度の概要や技能実習制度との違い、ベトナム人材の特性と採用の流れ、文化的配慮点、そして採用におけるメリット・注意点を詳しく解説します。
目次
特定技能制度とは?技能実習制度との違い
特定技能制度は、2019年に創設された比較的新しい在留資格で、日本の特定16分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的としています。技能実習制度が「発展途上国への技能移転と経済発展の貢献」を目的としていたのに対し、特定技能制度は「即戦力となる労働力の確保」が主眼です。
主な違いは以下の通りです。
- 就労目的の明確化:特定技能は、労働力としての活躍を前提にしているため、企業側も労働契約に基づいた実践的な業務を依頼できます。
- 転職の可能性:技能実習では原則転職不可でしたが、特定技能では一定の条件下での転職が認められており、企業と人材双方に柔軟性があります。
- 在留期間:特定技能1号では最長5年の在留が可能で、更新も制度内で可能です。技能実習に比べ、長期的な雇用計画が立てやすくなります。
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ベトナム人材の採用が進む分野
ベトナムは、日本にとって特定技能分野で最も多くの人材を送り出している国の一つです。協力覚書(MOC)も早期に締結され、制度上の受け入れ体制も整っています。

出典:出入国在留管理庁
特に採用が進んでいる分野には以下があります。
- 介護業:高齢化が進む日本において、ベトナム人の温厚で思いやりのある性格がマッチしており、即戦力として期待されています。
- 外食業:明るく丁寧な接客が評価され、都市部を中心に多く採用されています。
- 製造業:技能実習からの移行がしやすく、日本語能力も一定以上あるケースが多いため、現場での即戦力として活躍中です。
技能実習経験者が特定技能へスムーズに移行できるという制度設計も、ベトナム人材が重宝されている要因です。
採用フローと必要書類のポイント
ベトナム人材を特定技能で採用する際の基本的な流れは以下の通りです。
求人票の作成と送出機関への依頼
ベトナムでは、政府に認可された送出機関を通じて人材を紹介してもらいます。
面接・選考
オンラインまたは現地での面接が一般的です。履歴書や経歴書をもとに日本語力や適性を確認します。
推薦者表の取得
ベトナム政府が発行する「推薦者表」が必要であり、これは技能実習制度にはない特定技能特有の要件です。
在留資格認定証明書の申請
雇用契約書や受け入れ計画書、企業情報などを添えて出入国在留管理庁に申請します。
ビザの取得と来日
在留資格認定証明書交付後、現地の日本大使館・領事館でビザ申請を行います。
受け入れ体制の整備
住居の手配、日本語研修、生活ガイダンスの実施などを通じて定着を支援します。
これらの手続きは技能実習制度とは異なるため、専門の支援機関や登録支援機関との連携も重要です。
ベトナム人の文化・宗教的背景と配慮すべき点
ベトナムは仏教、カトリック、道教、儒教など多様な宗教が共存する「文化的加算性(cultural additivity)」の国です。多文化に寛容で、他国文化への適応力も高い傾向があります。
職場で配慮すべき点は以下の通りです。
- 食文化の尊重:宗教や家庭の習慣により、豚肉を避ける人などもいます。社食や会食時に選択肢を用意すると良いでしょう。
- 上下関係を重んじる価値観:儒教的価値観から、上司や年長者に対する礼儀が重視されます。指導時も丁寧な態度が好まれます。
- テト(旧正月)帰省の希望:ベトナム最大の祝祭「テト」は家族と過ごす重要な行事です。帰省希望が多いため、事前の相談と配慮が求められます。
こうした文化的配慮を実施することで、信頼関係を築きやすくなり、職場の定着率も向上します。
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採用のメリットと注意点
◎ベトナム人材を採用するメリット
- 勤勉で真面目な性格:責任感が強く、仕事に対して誠実に取り組む姿勢が高く評価されています。
- 日本語能力の高さ:技能実習で来日経験のある人材は、基礎的な日本語力を有しており、現場でのコミュニケーションがスムーズです。
- 文化的親和性:家族を大切にする価値観や、丁寧な言葉遣いなど、日本文化との共通点が多く、職場に馴染みやすい傾向があります。
△採用時の注意点
- 在留資格の管理:定期的な在留期限の確認や更新手続きの漏れを防ぐ体制が必要です。
- 生活支援の整備:住居探しや生活習慣への適応サポートを行うことで、ストレス軽減と定着率の向上が期待できます。
- キャリア形成の支援:長期的なビジョンを共有し、本人の成長につながる機会を提供することで、モチベーションの維持につながります。
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まとめ:今こそ、ベトナム人材の積極採用を
特定技能制度は、これからの日本企業にとって非常に重要な外国人材受け入れ制度です。中でもベトナム人材は、日本との親和性が高く、即戦力としても信頼されています。技能実習制度を経験した人材のスムーズな移行、文化的背景への理解と配慮を通じて、企業と人材の双方にとって良好な関係を築くことができます。
本記事を参考に、貴社の人材戦略に特定技能ベトナム人材の採用を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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